第2松寿苑:受診事例紹介:京都 介護・福祉サービス第三者評価

受診事例紹介:特別養護老人ホーム第2松寿苑

施設の外観
事業所名 社会福祉法人松寿苑 特別養護老人ホーム第2松寿苑
住所 綾部市田野町田野山2-169
電話 (0773) 43-1123
評価機関名 特定非営利活動法人きょうと福祉ネットワーク「一期一会」
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大槻直史さん(副施設長)にお話をお伺いしました。

受診動機やきっかけは何ですか?

大槻直史さん

平成18年度に初めて受診しました。職場の上司から説明を受け「これから大切になる取り組みなので責任も持って取り組んで欲しい」との指示を受けてのことでした。

自己評価を作成するプロセスの中でサービスを提供する事業所のスタッフとして知っておかなければならないこと、やらなければならないことを改めて確認することができました。日頃、業務をこなす事で精一杯であった私や現場スタッフにとって自己評価に取り組むことは、自分たちのサービス改善のために必要な要素を明確にする作業であったと思います。

それ以降の受診では、自分たちの取り組みの成果と現在の状況を確認することを大きな目標として受診しています。その結果、職員研修やユニット単位での活動の強化を図れたように思います。また、自己評価に関わる若手スタッフが当事業所が初めて受診した時の私のように、いろいろな事に気づくきっかけとなっているようです。

受診準備はどのようにされましたか?

準備委員会は、多くの職種で構成することを意識しています。トップマネージャークラスではなく、ミドルマネージャーや、そのサブで構成するようにしてそれぞれのスタッフ自身がどのような組織に属し、その組織はどのような事業を展開し、そこでどのような人が関わり、何を目指しているのか知ってもらいたいと感じています。

サービスの振り返りや現サービスの不備の発見に主眼を置き、自己評価を行っています。「良い評価を得る」ことを目的としていないため、「ありのままを見(診)てもらうこと」の大切さをスタッフに強く伝えて準備を行いました。

受診で改善した具体的な事例はありますか?

ご利用者の方とスタッフを少人数に分け、「ユニットケア」を行っていますが、小規模ケアはチーム間の連携や組織人としての意識の醸成においては課題を抱えることが多いのが実際です。

あらゆるサービスがユニット内で完結するため、スタッフの外部への意識が希薄化し、「ユニット内でしか通用しない常識」を作り上げてしまうリスクを抱えています。しかし、受診に取り組むことで、コンプライアンスの重要性、所属する事業所および法人の理念・方針・活動を知ることの必要性を認識したという感想をスタッフから聞くことがあります。

事業所の運営として気がついていないリスクが評価を受けることで改善に結びついた事柄もあります。また、そのようなリスクマネージメントの取り組みが強化されることで利用者の方の安全につながっています。

受診したことで何か変化や効果はありましたか? また、感想はありますか?

初めての受診では自己評価の取り組みをはじめ、事務手続きなど暗中模索で進め、「どんな評価をされるのか?」といった不安ばかりしたが、実際には評価調査者の方とコミュニケーションをとりながら、ありのままに話すことで、自分たちのサービスに自信を持つことができました。また、改善についても前向きに取り組みたいと考えることができました。双方向のコミュニケーションができるのが第三者評価の良い点だと感じています。

これから受診される事業所へ

受診をためらうのもわかるような気もします。「煩雑な事務作業になるのでは?」、「厳しいことを言われるのでは?」といった不安があるのではないかと考えますが、実際はそうではなく、評価の取り組みが終了した時には事業所としての強みを発見することができ、前向きな気持ちとモチベーションの高まりを持つことができます。入所施設はどうしても閉鎖的になりがちな環境の中で、スタッフもある種の閉塞感を感じる場合があるのではと思いますが、外部視点からのアドバイスによってそれを打ち破ることにつながるのではないでしょうか。また、より受診の効果を高めるために、受診までのプロセスに現場スタッフや運営協力部門の役職員以外のスタッフも多く関わることが良いと思います。

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