受診事例紹介:紫雲苑

事業所名 | 医療法人三幸会 紫雲苑 |
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住所 | 京都市左京区岩倉上蔵町303 |
電話 | (075) 724-1188 |
評価機関名 | 特定非営利活動法人京都市認知症グループホーム協議会 |
評価のダウンロード | この事業所のページへ |
武藤 章さん(事務長補佐)にお話をお伺いしました。
受診動機やきっかけは何ですか?

1回目の受診は第三者評価が始動し始めた平成17年でした。当時の管理職が在籍していないため当時の受診経緯は不明ですが、私自身は当時より施設内の第三者評価小委員会に所属しておりその時の印象としては、「施設をよくして行こう」という思いで各委員が取り組んでいたと思います。
当時は「施設としてできていないことが多いのではないか」と思っていましたので、受診を機に変えていけるのではないかという期待がありました。できていないことを管理職にどんどん改善提案していた記憶があります。
それ以降もほぼ毎年(現在までに4回)受診しておりますが、当時の管理者より「年に一度の大掃除」との話があり、継続して受診をしております。
受診準備はどのようにされましたか?
初回受診時には、小委員会の構成員がすべて管理職以外で構成されており、同僚に話を聞きながら現場第一線の考えとしてまとめていきました。現在では、準備委員のメンバーが主になって準備をし、それぞれの部署と項目のチェックやすり合わせを行っています。
受診で改善した具体的な事例はありますか?
普段より施設内で注意していることとして「施設内臭気」があり対策も行っていたのですが、平成21年の受診時にやはり指摘を受け、更に意識して取り組むようになりました。また、他の環境面の整備にも取り組むことにつながっています。「臭い」については完全には解消していませんが、古くから紫雲苑をご存知の方や評価調査者の方から、よい意味で「びっくり」していただけるほどの改善となっています。
調査はどのようなものでしたか?
初めて受診した際は、「どのような方が調査に来るのか」、「厳しく言われるんではないか」と考えましたが、受診後は、すがすがしさが残りました。それは、気持ちのよい調査をしていただいたことで得られたことだと思います。平成22年度は、表現が適切かどうかは分かりませんが調査当日が楽しみでした。「今日の評価調査者さんはどのような方で、どれだけの(知識の)引き出しを持っておられるかな」、「この項目のここを質問して教えてもらおう」など、前向きな気持ちだったことを覚えています。
受診したことで何か変化や効果はありましたか? また、感想はありますか?
一番の効果は、施設の中で一体感が生まれたことです。それぞれの職種や役割を超えてほかの部署などの役割を知ることでお互いの理解や尊重心も生まれたように思います。また、前回受診時にアドバイスされた項目の改善を中心に議論し実行することで、小さなことでもサービスの向上などにつながっていると感じます。チェックシートを定期的に見返すことで継続してできているか否かの確認ができ、継続していないのであれば、なぜ継続しなくなったのか検証することができました。
評価調査者の問診や評価機関からのアドバイスレポートなどで多くのヒントをいただけ、自分たちでは気付かなかった打開策が見つかることがあります。これは1回だけの受診でも得られる効果ですが、繰り返すことで多くのことが得られることにつながります。また、少なくとも2~3年に1回は受診しないと効果は望めないのではないかと思います。
実際、施設自身のことを振りかえるツールが実は少なく、「行政の自主点検表」、「介護サービス情報の公表制度」、「第三者評価」が主なところだと思います。各ツールで使用目的は異なりますが、施設全体を多角的に評価できるのが、第三者評価だと思い継続して受診しています。
これから受診される事業所へ
評価調査者の方はどなたも豊富な経験と知識を持たれており、必ず「事業所にとって大切な『お土産』(アドバイス)」を置いていってくださいます。その『お土産』を真摯に受け止め、次に進む努力をすることで、職員個々の意識・ちからが上がり→事業所としての意識・ちからも上がり→利用者へのよりよいサービス(ハード・ソフトともに)に繋がります。
すべての項目を完璧にすることからスタートするのではなく、「自分たちが何ができていて、何ができていないのか整理してみよう」から始めてみてはいかがでしょう。
気持ちの持ちようです。みんなで前向きにがんばって行きましょう。
